世界初!大動脈解離を防ぐタンパク質を発見
福岡県久留米市にある久留米大循環器病研究所を中心とする研究チームが、突然死の原因となる「大動脈解離」を防ぐタンパク質を世界で初めて発見しました。

大動脈解離は心臓近くの大動脈で血管壁内側に裂け目が生じ、そこに血液が流れ込む突発性の病気。高血圧や動脈硬化を抱える50代以上の男性に多く、国内で推定年間1万人が発症しています。
研究チームは、大動脈解離を防ぐ「安全装置」の役割を、たんぱく質「テネイシンC」が果たしていることを発見しました。テネイシンCは体内で炎症などがおきたときなどに、さまざまな組織で作られるもの。これまでもその存在は知られていましたが、どのような役割を果たすかは解明されていませんでした。
今回の研究では、テネイシンCを生成するマウスは大動脈解離を発症しませんが、生成できないようにしたマウスは半数が発症。テネイシンCが大動脈解離を防いでいると結論づけました。今後は、血中のテネイシンCの値を測ることで、大動脈解離や高血圧性心臓病などの予防に役立てられそうです。
また、テネイシンCを持たないマウスでも半数は発症しなかったことから、研究チームは「安全装置」として働く物質はほかにもある推測。今後はほかの物質の発見を目指します。