歯周病菌が原因で引き起こされる心筋梗塞がある

歯周病は口の中の歯周病菌が増殖して歯茎が炎症をおこす病気。この歯周病菌が引き起こす心筋梗塞があります。というのも、歯周病菌は血管に侵入すると全身を巡って心臓に到達。そこで血管に炎症をおこして、心筋梗塞を引き起こすのです。その侵入経路を見ていきましょう。

歯周病菌は全身を巡って心臓に漂着

じつは、歯磨きで血が出る状態を放っておくと突然死のリスクが上がります。出血した場所から侵入した歯周病菌が心臓に流れ着いて、その血管に炎症をおこすからです。この炎症が原因でおこる突然死が心筋梗塞です。

とはいえ、すべての歯周病菌が危険というわけではありません。何百という種類がいますが、その多くは問題ナシ。しかし、一部の歯周病菌は血管壁に取り付いて炎症をおこすのです。

そして、血管の中に進入した歯周病菌は全身を巡って最終的には心臓に漂着します。そこで、血管の壁に張り付いてしまうのです。すると、血管の壁に炎症が発生。この炎症が複数箇所でおこるのです。

すると、次第に血管の壁が分厚くなる動脈硬化が進行。こうして、心筋梗塞のリスクは大きく跳ね上がるというわけです。もちろん、心筋梗塞による突然死のリスクも跳ね上がります。

この歯周病菌が血管に侵入するタイミングが、歯磨きで出血したときです。歯周病になると、歯茎は歯磨きなどの刺激でも出血しやすい状態。そして、出血するとそこから血管へ菌がどんどん侵入してしまうのです。

さらに、出血していなくても歯周病菌は血管に侵入します。歯周病が進行すると、歯茎の表面の組織が壊れて内側の毛細血管がむき出しの状態。歯茎の壁にも大きなすき間ができてしまいます。この状態で食事をすると、振動で歯周病菌が拡散してしまい、一部が血管に入り込んでしまうのです。