鼻ニキビは悪化させると死ぬかもしれない!?
鼻の頭にできる「鼻ニキビ」。現代の医学ではありえませんが、以前は鼻ニキビが原因で死ぬことは珍しいことではなかったのです。じつは鼻ニキビは「黄色ブドウ球菌」が犯人。鼻ニキビは悪化させると死ぬかもしれない理由を見ていきましょう。
鼻ニキビの犯人は黄色ブドウ球菌
鼻ニキビの犯人は「黄色ブドウ球菌」です。黄色ブドウ球菌は人の皮膚や外界に広く存在している細菌。食中毒を引き起こすことでよく知られている常在菌の一種です。
皮膚の小さい傷や皮膚が湿った状態が続くと、黄色ブドウ球菌がいわゆる毛穴の毛包に感染して増殖。これを毛包炎と呼びます。毛包炎が炎症が周囲の皮膚組織に広がって大きく化膿してしまうと、おできとなります。
そして、このおできが顔の中心部分である鼻の頭にできたものが、鼻ニキビです。そして、以前はこの鼻ニキビで、死ぬことが珍しくありませんでした。
鼻ニキビは死亡率の高い病気だった
鼻周辺は、細い血管がたくさん張り巡らされている場所。そんなところに黄色ブドウ球菌が付くと、菌が血管を通って脳の中にまで入ってしまう恐れがあります。
すると、菌が原因となって脳炎や脳髄炎をおこすというわけ。脳炎などで命を落とすことがあるのです。じつは昭和初期までは、鼻ニキビは死亡率の高い病気でした。
江戸時代には鼻ニキビで命を落とした歌舞伎役者がいたことも知られています。ただし、現代では抗生物質の普及によって、鼻ニキビで死ぬことはまずありません。
鼻ニキビと通常ニキビの見分け方
とはいえ、鼻ニキビは放っておいてよいわけではありません。放っておくと大きく腫れたり色素が沈着したりする場合があります。病院でしっかり診察してもらいましょう。
鼻ニキビと通常ニキビの見分け方は「小さくても痛い」ということ。小さくても化膿してるものなので、触ってみて痛みがあれば鼻ニキビを疑ってみることです。
ちなみにニキビはアクネ菌の増殖が原因。毛穴に角質や皮脂などの老廃物が溜まり、アクネ菌が過剰に増殖したものです。こうして赤みなどの炎症を引き起こします。
メスを使って鼻ニキビを切開
鼻ニキビの治療としては、応急処置的には市販の化膿性皮膚疾患用のクリームがおすすめ。市販薬としては「オロナインH軟膏」が有名です。
鼻ニキビは通常、自然と膿みが出て治るもの。しかし、体力が落ちているとどんどん悪化する場合があるので注意が必要です。
目に見えるように腫れてきたら病院に行って、化膿を止める目的で抗生物質の軟膏を塗ったり、内服をしなければなりません。まれに重症化した場合には、膿みを出すためにメスを使って鼻ニキビを切開することもあります。
鼻ニキビを予防するには?
鼻ニキビは誰にでもできる皮膚病です。たまにできる程度であれば、あまり気にすることはありません。ただし、頻繁に鼻ニキビができる場合には、日常生活の何らかの習慣が原因となっている可能性があります。
鼻ニキビの原因となる細菌感染を予防するため、ふだんから常に肌を清潔を保つことが大切。また、肌のバリア機能を低下させないよう注意しましょう。
なお、鼻ニキビは「めんちょう」と呼ばれることもあります。漢字で書くと「面疔」です。地方によっては「めんちょ」と呼ぶこともあります。
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