偏頭痛は対処を間違えると症状が悪化する頭痛

推定患者数は840万人ともいわれる偏頭痛は国民病といっても過言ではありません。しかし、偏頭痛は対処法を間違えると症状が悪化してしまう代表的な頭痛なのです。『みんなの家庭の医学』で紹介されていました。

偏頭痛は対処を間違うと悪化する頭痛

そもそも偏頭痛の詳しい原因は解明されていません。しかし、脳の視床下部が興奮することで、拡張した血管が三叉神経を刺激。月に1～2回の頭痛がおこることはわかっています。

偏頭痛は対処を間違うと悪化する頭痛です。対処法を間違えると、偏頭痛の薬が効かなくなってしまいます。その結果、月の半分かそれ以上、偏頭痛がおこりやすくなってしまうのです。

そして、そのうちに脳も変化してきて「慢性偏頭痛」となってしまうことに…。その言葉のとおり、月に1～2回ほどしかおこらない偏頭痛が月の半分以上、慢性的におこるようになってしまうのです。

私たちの体は頭痛などで痛みがおきると、その痛みが脳に伝達されて痛みを抑える物質が分泌されます。この痛みを抑える物質と鎮痛剤による血管の炎症を抑える物質の相乗効果で、痛みは抑えられているわけです。

ここで、鎮痛剤を容量より多く飲み続けると痛みが強制的に抑えられることになります。すると、本来は痛みを抑える物質を出さなければならない脳が勘違い。次第に、痛みを抑える物質を出さなくなるのです。

こうなると負のスパイラルに陥ります。痛みを抑える物質が出ないことで、少しの痛みでも頭が痛いと感じるようになってしまうのです。さらに対処法を間違えて薬を飲み過ぎることで次第に脳は過敏になり、ちょっとした痛みにも反応。薬による鎮痛効果だけでは、痛みが治まらなくなってしまいます。

それにもかかわらず、効き目がある鎮痛剤を乗り換えるという間違った対処を行うと、病気をさらに悪化。まさに慢性偏頭痛の負のスパイラルです。

じつは頭痛には約300種類もあって、その原因はさまざまあります。だからこそ、自分だけの判断で対処してしまうのは危険が伴います。専門外来を受診して、慎重にいろいろな治療を試しながら本当の原因を探っていく…それが偏頭痛治療の正しい対処法なのです。

■『みんなの家庭の医学』
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