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40代からの医療情報…現役看護師が監修

国民医療費の半分は65歳以上が利用している

医療・介護など社会保障費の膨張が止まりません。厚生労働省の発表によると、2011年度に使われた医療費は前年度より3.1%多い38.6兆円で、5年連続で過去最多を更新しました。1人あたりの額も30万1900円と、初めて30万円を超えています。



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発表されたのは、公的な医療保険が使われた費用の総額に当たる「国民医療費」です。全体の5割弱が保険料、4割弱が税金、残り1割余りが患者負担でまかなわれています。診療の種類別では、一般の医科が全体の72%を占め、そのうち半分以上は入院医療の分となります。調剤薬局は約17%、歯科は約7%です。

医療費を押し上げる1つの要因は「医療技術の進歩」。高度な検査機器や治療方法が普及すると医療の質がよくなる一方、医療機関に支払われる診療報酬が高いためコストも上がるのです。

押し上げ要因のもう1つは「高齢化」です。人は年を重ねると、病気やけがをしやすくなるもの。2011年度は、65歳未満だと1人あたりの医療費は年間17万4800円にとどまるのに対し、65歳以上は4倍超の72万900円です。年齢別では、65歳以上の医療費が21兆4497億円で全体の55.6%を占有。75歳以上に限ると13兆1226億円で34.0%だった。

医療費の伸びは財政の悪化にもつながっており、財務省は2014年4月の診療報酬改定で、全体を引き下げたい考えです。一方、医療界などは「GDP比で見た医療費は先進国の中では高くない」などと牽制しています。

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