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不整脈が原因で「物忘れ」その見分け方とは?

毎年、新たに「徐脈性不整脈」と診断されて治療を受けている人は3万人以上。経過観察中や気づいていない人を含めると、その2倍違い患者がいると推測されています。この不整脈の意外な症状が「物忘れ」です。じつは物忘れの原因が脳の萎縮などではなく、心臓の不整脈に隠されていることがあるのです。



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不整脈が原因で「物忘れ」その見分け方とは?


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不整脈が脳が酸素不足に陥る原因

じつは心臓は電気信号によって動いています。「洞結節」といわれる器官が電気信号を送って心臓の収縮リズムの調節を行っています。しかし、加齢などによってこの洞結節の働きが衰えるてくると、電気信号が正常に発信されなくなることに…。結果的に心拍数が少なくなってしまうことがあるのです。

心拍数が少なくなると、心臓から十分な血液を送り出すことができません。あまり長い時間、心拍が止まっていると、脳が酸素不足となります。これが原因となって、一時的に記憶が抜け落ちるという現象がおきるのです。これが不整脈が原因でおきる物忘れです。

徐脈性不整脈をおこしてしまった実際の患者の心電図を見てみると、ところどころで拍動がとまっていることがわかります。なかでも一番長く止まっていた部分では「6.1秒」も心臓が止まっていました。


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不整脈を放置すると突然死を招く

こうなると、心臓の拍動は1分間に40回にまで落ち込んでしまいます。その結果、完全に脳が酸欠状態となり、ひどい物忘れが症状として現れるのです。

そのまま気づかずに放っておくと、知らぬ間に心臓がどんどん弱っていき、物忘れ以外にも「立ちくらみ」や「めまい」「胸の不快感」などの症状が出ることに…。ついには突然死を招く危険性もある徐脈性不整脈、物忘れという重要なサインを見落とさないことが大切なのです。

実際、周りから「ひどい物忘れ」といわれていた、常にボーっとして動かない高齢者の人がいたのだとか。それが徐脈性不整脈を治療することで、物忘れがなくなって回復したといいます。まさに物忘れの原因が不整脈だったわけです。


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不整脈には危険な脈とびがある

とはいえ心臓が一瞬止まる「脈とび」は、健康な人でも日常的におきている現象です。健康な成人に24時間、心電図の検査をすると、9割以上の人に脈とびがおきるとか。50歳以上の場合には、じつに99%の人に1日に最低1回以上の脈とびがあるのです。

そして、脈とびには「安心な脈とび」と「危険な脈とび」があります。安心な脈とびは、脈が通常より早いタイミングで打つもの。リズムが回復するまで脈が飛んでしまいます。これが1日数回おきる程度であれば心配ありません。

一方の「危険な脈とび」は、規則正しい拍動が急に止まって数秒間のあいだ脈が飛ぶというものです。この間隔が3秒以上続く場合、体にはさまざまな症状が出てきてしまいます。


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危険な脈とびを見分ける計測方法

安全な脈とびか危険な脈とびかを見分けるには、自分で脈を測るしかありません。手首を曲げるとできるしわからひじのほうに1~2cm近い部分と、親指の延長線が交わるあたりが測定ポイント。ここに人差し指・中指・薬指を軽く当てるのです。

この危険な脈とびの見分け方ですが、脈拍が「3秒以上」止まるかどうか。安全な脈とびであれば2秒以内でおさまります。危険な脈とびがある場合は、最低1分間測れば見つかる可能性が高いでしょう。

脈拍数が1分間に40回以下の場合も、危険な脈とびの可能性があります。60~100回の脈拍が正常な値。なぜ脈拍数が関係あるかというと、危険な脈とびの場合は電気がうまく伝わらずに脈拍が遅くなってしまう傾向があるためです。

もしも3秒以上の脈とびがある人や、脈拍数が1分間に40回以下の人は要注意。加えて物忘れなどの症状がある人は、早めに病院で精密検査を受けることをオススメします。

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