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胸の痛みを伴わない心筋梗塞が存在していた

心筋梗塞というと、いきなり強烈な胸の痛みを感じるイメージがあります。ところが、なかには心筋梗塞がおきているのに、胸の痛みなどをほとんど感じないケースがあるのです。このように、胸の痛みなどが現れないものは無症候性心筋梗塞と呼ばれます。なぜ胸の痛みを伴わないかを見ていきましょう。



胸の痛みを伴わない心筋梗塞が存在していた


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糖尿病で痛みなどの感覚がなくなる

無症候性心筋梗塞は糖尿病患者によく見られます。糖尿病は進行すると、網膜に障害がおこって失明する危険のある網膜症や、腎臓の機能が低下して人工透析が必要になる腎症など、重い合併症が現れる危険な病気です。

血糖値が高い状態が続くと、末梢動脈が細くなっていきます。糖尿病は進行すると手足の感覚が鈍くなっていき、最終的には壊死が発生。痛みなどの感覚もなくなってしまいます。

このため、糖尿病でおこるのが足の壊疽。足の裏など目が届かない場所にできた傷に気づくことができずに悪化。壊疽によって足を切断しなくてはならないこともあるのです。


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心筋梗塞による胸の痛みを感じない

こうした神経障害は、糖尿病の合併症のうちでも比較的早い段階から現れます。このため、糖尿病の進行に気づかないまま心筋梗塞をおこすと、発作による胸の痛みを感じないことがあるのです。

強烈な胸の痛みがあればだれでも救急車を呼ぶでしょう。しかし、胸の痛みを感じなければそれも不可能。こうして無症候性心筋梗塞は治療を受けないまま、死に直結してしまう可能性が高くなるのです。

糖尿病は心筋梗塞の原因である動脈硬化を促進する危険因子でもあります。胸の痛みを伴わない心筋梗塞があることも含めて糖尿病を甘く見ず、しっかりと治療しておくことが大切です。

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