足の痛みの原因は雨の日におきる天気痛だった
原因不明の足の痛みに悩まされ続けた72歳の女性の症例を見てみましょう。女性を最初に足の痛みが襲ったのは12年前。2階の掃除をしようと階段を上っていたときのことでした。突如、左足の太ももに思わず座り込んでしまうような激痛が走ったのです。『みんなの家庭の医学』で紹介されていました。
足の痛みの原因を特定できなかった
それは骨と筋肉をわしづかみされているような足の痛みでした。そして、それ以降というもの、足の痛みは繰り返し襲ってくるようになります。しかも、痛みを感じる時間は徐々に長くなり、1日に何時間も横になり、痛みを治まるのを待たなければならなくなってしまったのです。
もちろん、近所の整形外科ですぐに診察を受け、さらに総合病院では骨折や腫瘍を疑いレントゲン検査。大学病院に至るまで、さまざまな診療科を受診しました。しかし、いずれも異常はないという結果ばかり。女性が訪れた病院は30以上にも及びました。それでも、足の痛みの原因を特定できなかったのです。
痛みが発症してから10年、ようやく痛みのスペシャリストである愛知医科大学医学部教授の牛田享宏教授の元を訪ねます。すると先生は、ある指示を出しました。それが「痛み日記」をつけることです。
足の痛みの意外な原因は天気痛だった
痛み日記は、その日の痛みの強さや運動の有無、睡眠の状態などを記入するもの。そして、さまざまな情報から女性の足の痛みの意外な原因が明らかになりました。意外な原因とは「雨」だったのです。
昔から天気が悪くなると古傷が痛くなるという人がたくさんいます。それが最近では、医学的な研究で天気が原因だとはっきりしてきたのです。それを医学的にには「天気痛」と呼びます。
女性の足の痛みの原因が気圧センサーの過敏反応を見抜いたのが痛み日記というわけ。実際に痛み日記を見ると、雨が降った日に足の痛みが出ていることがよくわかります。また、雨の降る前日にも少し痛みが出ているのも特徴です。
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