βグルカンが悪玉コレステロールを減らす仕組み
世界的にも認められている大麦の健康効果。それでは、いったい大麦の何が悪玉コレステロールを減らして動脈硬化を予防するのでしょう? その秘密は大麦に豊富に含まれる大麦βグルカンという食物繊維にあるのです。『みんなの家庭の医学』で紹介されていました。

大麦βグルカンは水溶性の食物繊維
動脈硬化改善のカギを握るのは、大麦に含まれる水溶性の食物繊維・大麦βグルカン。大麦βグルカンは腸に入ると水に溶け、水分を巻き込んでジェル状に変化。腸の中にある胆汁酸と呼ばれる化合物を包み込み、便と一緒に体外へと排出してくれる働きがあります。
すると、足りなくなった胆汁酸を補おうと、肝臓は血液中からコレステロールを集めて新たな胆汁酸を作り始めるというわけ。その結果、血液中の悪玉コレステロールが減少。動脈硬化の予防につながるのです。
それでは、ふだんからβグルカンを多く含む大麦をよく食べている人はどれくらい悪玉コレステロールが少ないのでしょうか? 協力してもらったのは慈恵大学病院の栄養部の皆さん。病院食の大麦料理を作るだけでなく、自身でもよく食べているのです。
βグルカンでボーダーライン以下
実際、慈恵大学病院栄養部では大麦料理を題材にしたレシピ本を出版。題して『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』が刊行されているほどです。中を見てみると、大麦カレーに大麦ミートソースなどが並びます。
このほか、子どもも喜ぶ大麦ハンバーグや、お酒のつまみにもなる大麦のあえ物など大麦レシピは多彩。おいしくて健康になれるレシピを日々、試食しながら開発しています。βグルカンをたくさん摂取しているはずです。
そんな日ごろから大麦をよく食べている栄養部の8名の悪玉コレステロールを調査しました。はたして、大麦効果は現れているのでしょうか? すると8名全員がボーダーライン以下という結果でした。
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