報酬のあるなしで「やる気」が1.3倍アップ
「やる気」はなぜ、出たり出なかったりするのでしょう。いま最先端の脳科学が「やる気のメカニズム」を解き明かそうとしています。人間のやる気がどのように生まれ、どのように消えるのか、その一部がわかってきたのです。2月12日放送『最新脳科学ミステリー“人間とはなんだ…!?”』で紹介されていました。
やる気の正体を調べるために、ある実験を行います。参加者は10人。1人ずつ行うのは、ストップウォッチを5秒ちょうどで止める単調なゲームです。それを30分間、続けてもらいます。
このとき、10人を2グループに分けます。1つは「報酬ナシ」のグループで、もう1つは「1回成功ごとに100円の報酬アリ」のグループです。はたして、やる気に違いは出るのでしょうか?
ゲームを終えて感想を聞くと、報酬ナシは「退屈」「飽きてきた」というコメントばかりですが、報酬アリは「あっという間」「時間が早かった」と答えています。ゲームに取り組んだ回数にも違いがありました。報酬ナシは「平均175回」に対して、報酬アリは「平均235回」。報酬アリのグループに「1.34倍」の強いやる気が生まれていたのです。
このとき、脳にはどんな反応が出ていたのでしょうか? 脳の画像を映し出す装置「MRI」の中で同様のゲームを行うと、やる気の違い映し出されたのです。報酬ナシよりも報酬アリのほうが、脳の前方のより広い範囲で活動が活発になっていました。
活動が活発になっていたのは、やる気の重要な鍵を握る「線条体」です。右脳と左脳のそれぞれ、奥深くに渦を巻くように存在しています。「依存」や「快楽」と関係のある場所と考えられています。
「特定の行動にどれくらい報酬が付いてくるのか」「課題そのものにどれくらいの価値付けをするのか」…これらを最終的に算出しているのが線条体なのです。
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