ヒートショックは高齢者の家での死因の4分の1
家で高齢者が死亡する4分の1はヒートショックが原因。突然死の大きな要因です。ヒートショックとは、冬の入浴時に発生する温度変化によっておきる急激な血圧の上下動のこと。ヒートショックがどれだけ体に負担を与えているのか、そのメカニズムを詳しく見ていきましょう。
ヒートショックは血圧の急激な上下
冬の入浴は、暖房で温まった部屋と冷え切った脱衣所との温度差が10度以上になることもしばしば。このとき、温まった部屋から冷え切った脱衣所、そして熱いお風呂という、急激な温度変化を短時間のうちに経験することになります。
すると、私たちの体の中では血圧の急激な上昇や下降が発生。これがヒートショックと呼ばれる現象です。入浴によって免疫力を高めるヒートショックプロテインとはまったく意味合いが異なります。
ヒートショックは、冬の入浴中におこる突然死の大きな要因。急な血圧の上昇は脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こします。急に血圧が下がれば脳貧血が発生。めまいをおこしたり、湯船でおぼれたりする危険があります。
ヒートショックを予防するポイント
急激な温度変化でヒートショックがおきるメカニズムを見てみましょう。まず温まった部屋から冷えた脱衣所で服を脱ぐとき、体から熱が奪われないように毛細血管が収縮します。すると血圧が上昇するのです。
湯船に入ると熱い湯で交感神経が緊張して、血圧がさらに上昇します。しかも肩までお湯につかると、水圧で心臓にかかる負担が増加。これまた血圧が上昇してしまうのです。
湯船で体が温まると今度は血管が拡張して血圧は急激に下降します。さらに湯船から上がると水圧がなくなって心臓の負担が軽減。血圧はさらに下降するのです。ヒートショックによる血圧の上下はこれで終わりません。入浴後は冷えた脱衣所で再び毛細血管が収縮。血圧が急激に上昇してしまうのです。
ヒートショックを予防するには温度差を小さくすることがポイント。脱衣所と浴室をあらかじめ温めておくことだけでなく、お風呂もぬるめの湯加減で徐々に体を温めていくようにしましょう。
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