前頭側頭型認知症は早ければ40代から発症する
認知症といえばアルツハイマー病というイメージのとおり、その約60%を占めています。そして、残りの40%はあまり知られていないのが現状です。しかし、前頭側頭型認知症は早ければ40代から発症する認知症。じつは40~60代の認知症ではアルツハイマー病に次いで多いのです。
前頭側頭型認知症は発症が早い
前頭側頭型認知症は発症が早いことが特徴で、80%の人は40~60代という早い時期に発症している認知症です。最初にこの病気を報告したのがアーノルド・ピックという医師だったことから、ピック病とも呼ばれています。
アルツハイマー病は海馬・側頭葉・頭頂葉という、脳の後ろのほうが中心に侵される病気です。これが記憶障害や自分の居場所を認識する機能が低下する理由になっています。
一方、前頭側頭型認知症はその名のとおり、前頭葉・側頭葉の前方部で発症。脳の前のほうが犯される病気です。
前頭葉は興味や意欲を維持する機能と、人の心を推し量る機能があります。これらの働きが低下することが、前頭側頭型認知症の症状の特徴です。
前頭側頭型認知症は常同行動が特徴
前頭側頭型認知症はアルツハイマー病とは異なり、初期段階では記憶がしっかりしています。一方で、やる気がなくなったり、行動のコントロールができなくなるといった症状が特徴的といえるでしょう。
そして、前頭側頭型認知症にはもう1つの特徴的な症状があります。それが常同行動と呼ばれるものです。
ひたすら電気を点けたり消したり、急に部屋の中をグルグル歩き回ったりします。アルツハイマー病の徘徊とは違って、常に決まったコースを決まった時間に歩くというものです。、
前頭側頭型認知症の症状の特徴は「行動がコントロールできない」ことと「同じ行動を繰り返す」ことなのでした。