前頭側頭型認知症の進行で犯罪に手を染めた!?
40代から発症する認知症ながら、あまり知られていない「前頭側頭型認知症」。適切な処置を受けないまま、病気を進行させてしまうケースが少なくありません。なかには、そのせいで犯罪に手を染めたケースもありました。そこで早期発見するためのポイントを解説しましょう。『あのニュースで得する人損する人』で紹介されていました。
前頭側頭型認知症の患者が店で万引き
前頭側頭型認知症は、ほかの認知症と症状が大きく違います。前頭側頭型認知症には物忘れはありません。道にも迷うこともないのです。ただ、外に出たいという衝動を抑えることができないため、外には出て行ってしまいます。しかし、必ず戻ってくるのです。
前頭側頭型認知症の重い症状の1つとして「急に激昂する」というものがあります。本人のこだわっている行動、繰り返して行う行動をやめさせようとした場合、それに反応して怒ってしまったり、暴力的な行動に出てしまうことがあるのです。
前頭側頭型認知症の重い症状に「何でも口に入れてしまう」というものもあります。これは「口唇傾向」と呼ばれるもの。行動のコントロールがきかなくなり、赤ちゃんのように本能的に口に入れてしまう症状です。
前頭側頭型認知症の事例では、患者が目を離した隙に店で商品を万引きすることも…。知らないうちに前頭側頭型認知症が進行して、犯罪に手を染めてしまうこともあるのです。
うつ病と間違われる前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症には、残念ながら病気の進行を止めるという治療法はありません。ただし早期に発見すれば、対症的な薬物療法というものはあります。このため、前頭側頭型認知症は早期発見することが何よりも肝心です。
それでは前頭側頭型認知症を早期に発見するにはどうしたらよいのでしょう? この行動が現れたら前頭側頭型認知症かもしれない、4つのポイントを紹介します。
まず1つめは「うつ病と間違えやすい」です。前頭葉自体の障害の症状としては、やる気・意欲・興味がなくなるというもの。それが一見、うつ状態に見えるので、うつ病と間違えられることがしばしばあります。
前頭側頭型認知症は自分勝手な行動
2めのポイントは「食の好みが変わる」です。前頭側頭型認知症は食行動に表れることもあり、甘いものや濃い味のものを好む傾向があります。お饅頭ばかり食べるとか、カツ丼ばかり食べ続けるといった食事の行動の異常もよく出る症状の1つなのです。
3つめのポイントは「同じものを大量に買う」です。これは前頭側頭型認知症の典型的な症状の1つにある常同行動の一種。とくに女性の場合は、いつも同じものを買ってきたり、同じものを料理するという症状が現れます。
4つめのポイントは「我慢ができなくなる」です。本能的な行動を抑制できなくなってくるということで、一見わがままで自分勝手な行動をするようになります。いわゆる道徳観念のようなものもだんだん失われていくのです。このため、悪いという意識もあまりありません。
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