レビー小体型認知症の典型的な症状が幻視と幻聴
アルツハイマー型に次いで多い認知症が「レビー小体型認知症」です。レビー小体とは不要なたんぱく質の1つ。これが脳全体に溜まることで神経細胞が破壊されて、認知症状をおこすのです。そんなレビー小体型認知症と似ている病気が「パーキンソン病」になります。『駆け込みドクター!』で紹介されていました。
レビー小体型認知症とパーキンソン病
レビー小体型認知症において、レビー小体が脳全体に蓄積する原因は不明。認知症患者の15%にあたるおよそ80万人が発症しているといわれています。
そんなレビー小体型認知症と似ている病気が「パーキンソン病」です。あのマイケル・J・フォックスが発症した難病で、手足の震えなどの身体症状が出ます。
違いはレビー小体が溜まる場所。パーキンソン病は、脳幹にレビー小体が蓄積します。一方、レビー小体型認知症は脳幹だけでなく、大脳全体にレビー小体がたまるもの。そのため身体症状だけでなく、認知症の症状が現れるのです。
さらにレビー小体型認知症には特有の症状があります。ありありとした「幻覚」「幻視」です。ボーっとしたものでない、ハッキリとしたものが見えるといいます。
レビー小体型認知症の幻視と幻聴
2年前にレビー小体型認知症と診断された56歳の女性がいます。あるときこの女性が見た幻視は、リビングのソファに座っている亡くなったはずの祖母と両親だったとか。そのほかには、まったくわからない男の人が立っていたり、7~8人の人が家の中に居たりとか…。
最近では幻視よりも幻聴のほうが多くなってきたというこの女性。一番困るのは、夜に人の声がすることといいます。真夜中におこる幻聴もレビー小体型認知症の典型的な症状です。
このレビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症と似ている部分があるため、同じ薬を使用することがあります。しかし、レビー小体型認知症は薬に対して過敏なため、かえって幻聴や幻視の症状が強くなってしまう場合があるのです。市販の風邪薬などでも体調を崩すこともあるので、しっかり医師の指示を仰ぐことが大切でしょう。
レビー小体型認知症の初期症状
レビー小体型認知症の初期症状で多くの患者に見られる行動が「睡眠中の異常行動」です。たとえばハッキリとした寝言をいったり、突然起き上がって壁を叩いたり…。
寝ているあいだに壁を叩いているため、起きると身に覚えない傷があることもあるとか。さらには、隣の人を叩いて傷つけてしまうこともあるのです。
これらは認知症を発症した人だけでなく、発症前の人にも見られる行動といいます。60歳を越えて、睡眠中の異常行動が見られる場合には、医師の診断を受けてみたほうがよいでしょう。もちろん、睡眠時の異常行動がある人が必ずしもレビー小体型認知症を発症するとは限りません。
■7月27日『駆け込みドクター!』
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