認知症の予防には乳製品と緑茶とアロマセラピー
認知症の予防は生活のいろいろな場面で実行できます。認知症のリスクは、生活習慣のちょっとしたことで上がることもあれば下がることもあるのです。そこで、認知症予防のためのリスクを「下げる習慣」と「上げる習慣」を紹介していきましょう。『駆け込みドクター!』で紹介されていました。
認知症の予防には乳製品と緑茶がイイ
認知症のリスクが下がる習慣が「乳製品」です。認知症を発症しにくい人たちは、乳製品や大豆製品を多くとる傾向にあります。牛乳や乳製品に含まれるカルシウムやマグネシウムに予防効果があるといいます。
「緑茶」も認知症予防で注目されています。3か月間、認知症患者に1日3杯の緑茶を飲んでもらったところ、診断テストの結果が12人中8人も改善したのです。
お茶には渋み成分の「カテキン」や、うまみ成分の「テアニン」が含まれています。このカテキンやテアニンは、認知症を予防することが基礎的な研究で明らかになっているのです。
さらに、カテキンの一種「エピガロカテキンガレート」という成分には、認知症の原因である神経細胞死を抑えるといわれています。
このほかにも、EPAやDHAといったサバやイワシなどの青魚に含まれている脂も有効だとか。1日1回以上食べている人は、認知症の発症率が5分の1程度に軽減されたという報告もあります。
また、緑黄色野菜のビタミンEやビタミンC、βカロチンが、認知症の発症リスクを抑える研究報告もあるのです。
アロマセラピーで認知症が改善した
アロマセラピーを使った認知症予防もあります。アルツハイマー型認知症の早期の段階では、嗅覚障害が最初におこって、それから海馬の障害がおこります。海馬に障害が発生すると、記憶力の低下や物忘れがおこるのです。
このため、理論的にいえば嗅覚神経に障害がおこりながらも、まだ海馬の神経に異常が生じていない段階で嗅覚神経を刺激することができれば、それが究極の予防ができるということになります。
そこで、認知症の高齢者28人にアロマセラピーを実施。効果を測定する研究を行いました。昼は集中力を高めて記憶力を高めるという、ローズマリーカンファー2滴とレモン1滴を配合。夜は鎮静効果が期待される真正ラベンダー2滴とスイートオレンジ1滴を配合しました。
これらの匂いを昼夜2時間ずつ、およそ1か月間続けた結果、中度の認知症患者11人に改善が見られたのです。昼間に眠り夜に大声を出すといった、認知症特有の症状も緩和されたといいます。
適量のお酒が認知症の発症を下げる
フランスのボルドー大学の研究では、ワインをグラス3杯ほど毎日飲んでいる人は、まったく飲まない人に比べて認知症の発症率が4分の1程度だったことが明らかになっています。適度のアルコールが脳の血流や脳代謝を改善することがその理由です。
お酒は脳血管疾患や脳の動脈硬化も含めて、適量であることがポイント。お酒は適量であれば、認知症の発症を遅らせてくれます。
ただし、飲みすぎは要注意。とくにお酒に弱い人や顔が赤くなる人は、無理して飲む必要はありません。長年にわたり大量の飲酒を続けると、脳の萎縮が進行します。飲みすぎで記憶を失うということが何回かある人は、グッと認知症のリスクを上げる結果になっているのです。
「たばこ」も認知症のリスクを上げてしまいます。喫煙者はたばこを吸わない人に比べて、認知症のリスクが2倍高まるのです。たばこの煙に含まれる一酸化炭素により、血液が酸素不足になるのが原因になります。すると、認知症の症状はどんどん進行してしまうのです。
■7月27日『駆け込みドクター!』
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