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「緑内障」インプラント手術が保険適用に!

日本人が失明する原因の第1位が「緑内障」。その治療で、進行を抑える装置を目に埋め込む手術が2012年に保険適用となりました。点眼薬や従来の手術で効果がなかった患者らの新たな選択肢として期待されています。ただし、治療効果の長期的な評価はこれからです。



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「緑内障」インプラント手術が保険適用に!


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緑内障の新たな治療法がインプラント

緑内障は、栄養を目に運んだり老廃物を流したりする「房水」の排出が滞るなどして、眼圧が上がっておきるもの。根治療法はなく、眼圧を下げて進行を抑えるしかありません。それには点眼薬で房水の量を調整する方法や、房水の排出路をつくる方法があります。排水路は、白目にある線維柱体という部分をレーザー照射したり、手術で切ったりして作るのです。

これらの治療法で大半の患者は眼圧が下がります。しかし、新しく作った排出路が短期間でふさがってしまい、手術を繰り返しても眼圧上昇を抑えられない患者もいるのです。

この難治性の患者への新たな治療法として注目されているのが「インプラント手術」です。これまでに承認されたのは、シリコーン製の「バルベルト」とステンレス製の「エクスプレス」。

日本緑内障学会のガイドラインでは、バルベルトは従来の手術が困難な患者や、効果が期待できない患者を適応としています。エクスプレスはチューブのみで、適応は従来の手術よりも有効性が明らかに上回る場合としています。


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緑内障は早期治療がポイントになる

海外の研究では、バルベルトとエクスプレスは、従来の手術と比べて同等かそれ以上の効果があるとの報告も。チューブシャント手術を最初の治療の選択肢としているケースもあります。

緑内障は、初期ではほとんど自覚症状がありません。視野の欠損や見えにくさに気付いたときには、病状が進行してしまっています。早く見つけて、早い段階から治療を始めることが、失明を防いだり、遅らせたりするポイントとなるのです。

しかし、国内の患者の7割は、眼圧が正常の範囲で緑内障が進む「正常眼圧型」。眼圧を測る検査だけでは早期発見が難しいのが実情です。このため、目の奥にある視神経の形をカメラなどで調べる「眼底検査」が推奨されています。緑内障には特徴的な形の異常があり、早い段階で診断できるのです。

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