大腸がんを30分で切除する内視鏡によるESD治療
2~3cmほどの大腸がんなら30分前後で切除できるという内視鏡の手術があります。2012年に保険適用された「ESD」です。どんな治療法なのかを詳しく見ていきましょう。『THEセンタク』で紹介されていました。
大腸から内視鏡を入れて切除・回収する
2012年に保険適用されたばかりの大腸がんの最先端治療があります。その名も「ESD」です。日本語で「内視鏡的粘膜下層剥離術」といいます。使用するのは先端から極小の電気メスが飛び出す内視鏡。電気メスの直径はわずか0.4mmです。
この内視鏡を患者の肛門から大腸に入れ、まずは腫瘍を見つけ出します。じつは大腸の壁の厚さはわずか2~3mmと、とても薄いのです。
そこで活躍するのが極小の電気メス。この電気メスを使えば、薄い壁の表面にできた腫瘍だけを健康な部分を残しつつ、焼き切るように切除できます。条件にもよりますが、2~3cmほどの腫瘍ならば30分前後で処置可能です。
切除後、内視鏡から飛び出したのは回収ネット。これで焼き切った腫瘍をキャッチして対外に取り出します。極端な例ですが、10cmを超える腫瘍でも条件を満たすものであれば内視鏡で取り出せるとか。粘膜だけを正確にそぎ取れば、1~2か月のうちには傷跡が治るので、退院すれば普通の生活ができるようになります。
大腸がんの内視鏡手術が難しい人とは
なお、人によって大腸がんの内視鏡の手術がしやすい人としにくい人がいます。とくにやせた女性は難しい場合が多いとか。
それは胃などの内臓が正常よりも下がった状態の「内臓下垂」が多いからです。また、内臓の脂肪が少ないと腸の固定が十分でないため、そこをクネクネとたどるのが非常に難しいといいます。
とはいえ、内視鏡検査というのは抵抗がある人が多いのも事実。そこでお尻から入れずに大腸がんを発見する最新技術があります。直径1cmで長さ4cm、大人の親指ほどのカプセルに魚のヒレのようなものがついた装置が「ミニマーメイド」。実用間近の大腸がん発見の新技術です。
これは世界初の泳ぐ内視鏡。体の外から当てる磁力で尾ヒレを動かして操作します。これから薬事法の承認を得て、およそ2年後の実用化を目指しています。
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