片頭痛には血管を収縮させる「トリプタン」
「片頭痛」の国内患者数は15歳以上の人だけで推定「840万人」。寝込んだり吐いたりするような重症の人も少なくありません。片頭痛は、頭の血管が過度に広がり、周りの神経を刺激して痛みを引き起こすもの。発作は休みの日など、リラックスして血管が広がるときに出やすくなります。ストレスや寝不足、月経などさまざまなきっかけで発症します。
発作がおきると、こめかみから目のあたりが脈に合わせてズキズキ痛み、それが4~72時間続きます。病名に「片」の字が入っていますが、両側のこめかみが痛むことも…。吐き気を催し、ふだんは平気な光やにおい、音が不快に感じるようになります。
「アスピリン」などの痛み止めは、発作が起きそうと感じたときに飲むと効果が期待できます。ただし飲み過ぎには注意が必要。発作をおきにくくする予防薬もあります。
発作のときに炎症を抑え、痛みを止めるだけでなく、広がった血管を縮める作用のある薬が「トリプタン製剤」です。日本では2000年から使えるようになりました。
北里大の調査では、使い始めた患者117人のうち45%が「人生が変わった」と答えました。一方「効かない」と答えた人は20~30%。注射するタイプの即効性が高いトリプタンもあります。
発作を防ぐには、ストレスや疲労、睡眠不足などを避けることも大切。首や肩のこりをほぐす「頭痛体操」も役立ちます。