遺族年金の支給対象を「父子家庭」に拡大!
いまは母子家庭などに限られている「遺族年金」の支給対象を、2014年4月から父子家庭にも広げる制度改正の関係政令を政府が閣議決定しました。厚生労働省は当初、会社員らに扶養される配偶者が亡くなったケースを一律で支給対象から外す案をとりまとめて公表。しかし反対意見が相次ぎ、この部分を削除したものが採用されています。
「遺族年金」は、国民共通の遺族基礎年金と、会社員向けの遺族厚生年金などがあります。遺族基礎年金の支給対象は現在、夫を亡くした妻と子の母子家庭などに限られています。
夫を一律に「生計維持者」とみなし、共働きでも残された妻の年収が850万円未満なら支給するというものです。しかし「性別で差をつけるのは不合理」との声があり、父子家庭も対象とする法改正が2012年に成立、2014年4月から実施されます。
あわせて厚労省は、生計維持者を実情で認定するよう、遺族基礎年金と遺族厚生年金で支給要件の見直しを検討。亡くなったのが、収入が少なく配偶者に扶養される「3号被保険者」だった場合は、一律に対象外とする政令案をまとめました。
2013年11月から一般の意見を募る手続きを進めたところ、社会保険労務士の団体などから「不公平が生じる」との批判が続出。たとえば、会社勤めで家計を支えた夫が病気で仕事をやめ、妻に扶養される状況になった場合などです。こののちに死亡した場合、遺族年金がもらえなくなってしまうためです。これを受けて厚労省は「3号被保険者」部分を政令から削除しています。