自彊術のやり方は立位と座位を交ぜた31の動作
「自彊術(じきょうじゅつ)」とは「自らを強くする」という意味の健康法。1916年(大正5年)に考案された、31の動作で構成される体操です。いわば日本独自の健康ストレッチといえるでしょう。自彊術の31の動作を紹介するとともに、自彊術のもたらす効果を解説します。
自彊術には体の運動機能も改善する
自彊術は31の動作から構成された健康体操。この自彊術を朝食前と就寝前の1日2回、それぞれ20~30分ほど行うことで、全身の血行促進を促して新陳代謝を高める健康法です。
自彊術の効果は、内臓活性化と血行促進によってもたらされます。免疫力がアップすることで、病気になりにくくなるともに、病気になってもすぐ治るようになるのです。
そのほか自彊術には、骨格が正しくなったり筋肉が増加したりと、体の運動機能も改善する効果もあります。ダイエット効果も期待できるでしょう。
自彊術は可動領域ギリギリまで動かす
それでは自彊術の31の動作を詳しく解説していきましょう。いずれも10~20回ぐらいを目安に行ってください。
【自彊術のやり方】
- 正座で下腹を抱えて肩を上下
- 正座で肋骨を抱えて肩を上下
- 正座で後頭部で指を組みひじを開閉
- 正座で両手を後ろで組んで肩を上下
- 正座で片腕を反対の肩に回し肩を開閉
- 正座で両腕を下げて首を左右に
- 正座で手をひざに置いて首を前後に
- 正座で手をひざに置いて顔を左右に
- 正座で首を傾けて首筋を手で叩く
- 正座で首を前倒し後頭部を手で叩く
- 正座で上を向いておでこを拳で叩く
- 目の上下左右、最後に中央を押す
- 両足を前に伸ばし上体を前後に
- 両腕を肩幅に置いて腕立て伏せ
- 腕立ての姿勢から体を反らす
- 両足を揃えて立ち両腕を上下に振る
- 片腕を前に回したあとに後ろに回す
- 両腕を後ろに回したあと前に回す
- 片腕を前と後ろに回して背中を叩く
- 両腕を前と後ろに回して背中を叩く
- 立位体前屈でひざを曲げ伸ばし
- 手を腰に当て片足前で上体反らし
- かかとを揃えて立ち上体を左右に
- 足を閉じてスクワットする
- 足を開いてスクワットする
- 足を大きく開いて立ち開脚する
- 足を開いてひざに手を乗せ腰割り
- 軽く足を開き両腕と上体を左右に回す
- ひざを折って仰向けになりひざを上下
- 前屈から後転して両足を頭上につく
- 足を揃えて肩を上げながら跳躍
自彊術の31の動作は可動領域ギリギリまで動かします。独特の呼吸法と号令があるのも特徴です。
自彊術は疲労が伴わない全身運動
自彊術が考案されたのは大正5年、1916年になります。全身の血行促進を促して新陳代謝を高めることで「自らを強くする」という意味で自彊術と名づけられました。
このため、健康体でも不健康体でもできることが自彊術の特長。反動やはずみを巧みに利用して体を動かす構成となっていて、動作は大きいものの肉体的には疲労がほとんど伴わない全身運動となっています。
また、自彊術が考案された当時の日本人は、西洋人やほかのアジア人より腰が強いといわれていました。そこで、自彊術は腰の強さが畳の上に座る生活によるものと考え、日本人に適した動作として座位で行う運動を取り入れています。
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