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抗がん剤の副作用!?腫瘍の増殖を促す結果に

東京大学の研究グループは、一部の抗がん剤を使い続けると、その副作用として「グリオーマ」と呼ぶ脳腫瘍が増殖しやすくなることを発表しました。アメリカのカリフォルニア大学サンフランシスコ校などとの国際的な共同研究によるものです。



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グリオーマ(神経膠腫)は、代表的な脳腫瘍のひとつ。全脳腫瘍の約25%を占めています。そのうち悪性度の低いグリオーマは、診療経過中に悪性度の高い腫瘍に転化することが知られていて、この悪性転化が死亡の契機になっているのです。

そこで研究グループでは、この悪性への転化の機構について、その遺伝子変異の網羅的な解析を実施しました。その結果、治療の過程で抗がん剤の一種である「アルキル化剤」を使用した症例の半数程度で、副作用として特定の変異がきわめて高頻度に生じることが観察されたのです。

脳腫瘍に使う抗がん剤はアルキル化剤とも呼ばれ、一般にがん細胞のDNAにくっ付いて、腫瘍が複製できないように妨げてがん細胞が分裂・増殖できないようにするものです。今回の発表が、抗がん剤治療の最適化について検討を促すきっかけとなると思われます。

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