夫婦愛!アルツハイマー病の男性におきた奇跡
日常できたことがまったくできなくなってしまうアルツハイマー病。根本的な治療法は見つかっていません。しかし、認知症に侵されても私たちの脳はときに奇跡をおこすのです。アルツハイマー病の男性がおこした奇跡とは、いったいどんなものだったのでしょう? 『世界一受けたい授業』で紹介されていました。
アルツハイマー病を3年前に発症
結婚60年、メルビンさん(83歳)とドリスさん(86歳)は、人もうらやむおしどり夫婦でした。しかし、夫のメルビンさは3年前、アルツハイマー病を発症。多くの記憶が失われています。奥さんと一緒でなければ外出もできません。1人だと家に戻ってこられないからです。
そんなある日、メルビンさんがたった1人でどこかに出かけてしまったのです。奥さんは警察に通報。すると、自宅から3km離れた場所で見つかりました。警官が住所を聞いても答えられなかったメルビンさん。しかし、どこに向かっているかはハッキリ答えたといいます。
じつはメルビンさんが外出したのには目的があったのです。それは花屋さんでした。警察官に「明日は母の日だから妻のために花束を買わなければ」といったといいます。
事実の記憶より感情の記憶が残る
メルビンさんは子どもが生まれて以来、母の日には奥さんへ感謝の気持ちをこめ、花束をプレゼントしていたのです。アルツハイマー病の発症から3年、多くの記憶が失われてしまいましたが、奥さんへの愛情は忘れていませんでした。
事情を知った警察は、メルビンさんを家に送り届ける前に花屋さんへ立ち寄り。警官の助けを借りて花束を購入して、無事に奥さんへプレゼントできたのでした。アルツハイマー病で記憶を失っていくなか、妻を愛する気持ちだけは失っていなかったのです。
脳には、強い感情を揺さぶられて記憶は強く残ります。事実の記憶よりも、感情の記憶のほうが残るのです。だからこそ、強い愛情が夫の記憶を甦らせたのではないかと考えられます。
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