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アルギン酸の効果なら昆布より「とろろ昆布」を選ぶ

昆布のネバネバ成分は体によいもの。そんなネバネバ食品でありながら影の薄いのがとろろ昆布です。しかし、ネバネバ成分であるアルギン酸の効果は、昆布よりとろろ昆布のほうが期待できるのです。『ためしてガッテン』の「とろろ昆布がすごい!」で取り上げられていました。



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アルギン酸の効果なら昆布よりも「とろろ昆布」


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アルギン酸の効果の違いを実験

昆布のネバネバ成分には、脂肪排出や高血圧予防、便秘解消などの効果があります。この昆布のネバネバ成分の名前がアルギン酸です。アルギン酸は海藻など藻類を意味する「アルジー」という言葉に由来しています。

じつはアルギン酸の効果が、昆布よりとろろ昆布のほうが高いのです。ラットを使って「油のみ」「油+昆布」「油+とろろ昆布」という組み合わせで、中性脂肪の吸収量がどれくらい違うか調べた実験があります。

その結果、「油のみ」の場合は「2,000AUC mg/h/dl」だったものが、アルギン酸の働きで「油+昆布」は半分に減少。さらに「油+とろろ昆布」は3分の1という結果だったのです。


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アルギン酸は細胞壁の間に存在

なぜ昆布よりとろろ昆布のほうがアルギン酸の効果が高くなるのでしょうか? 秘密はとろろ昆布の厚さにありました。

そもそもとろろ昆布は、乾燥した昆布を酢に漬けてやわらかくしてブロック状にプレス。それをかんなのような歯で削りだしたものです。重なった昆布の側面を削るため、昆布は糸状になります。とろろ昆布の厚さを計ると「0.01mm」、同じような薄い食材であるかつお節でも「0.04mm」です。

ここで昆布のアルギン酸は、おもに細胞壁と細胞壁の間に存在するもの。その細胞のサイズは平均で「0.1mm」ほど。とろろ昆布の厚さは「0.01mm」ですから、細胞の10分の1ということです。

さらには、うまみ成分である「グルタミン酸」は細胞内に存在しています。このため、昆布では出し切れないアルギン酸やグルタミン酸が、細胞より薄いとろろ昆布ではあふれ出てくるようになっているのです。実際、だし昆布から出るグルタミン酸は約50%、アルギン酸は約5%といわれています。

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