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日本は軟水のためマグネシウム不足になりやすい

現代日本において、圧倒的にマグネシウムの摂取量が不足しているといわれています。その理由は、日本の水道水が軟水のため。とはいえ、日本人はもともとマグネシウム不足ではありませんでした。日本が軟水であってもマグネシウム不足ではなかった歴史的な背景を見ていきましょう。



日本は軟水のためマグネシウム不足になりやすい


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日本は軟水でマグネシウムが少ない

日本の水は「軟水」と呼ばれ、カルシウムやマグネシウムの少ない水。いわゆるミネラルが少ない水といわれるものです。ちなみに、ミネラルとはカルシウムやナトリウム、マグネシウムなどの成分の総称になります。

一方、ヨーロッパの水は地域によって含有量に差はありますが、マグネシウムやカルシウムが多く含まれている「硬水」と呼ばれるもの。エビアンなどのミネラルウォーターも硬水です。

研究調査によると、マグネシウム含有量の多い硬水地域に暮らす人々ほど、心臓疾患による死亡率が低いというデータがあります。さらには、研究によるとストレスがかかると尿中にマグネシウム量が増えるとも報告されているのです。


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日本は軟水でもミネラルを摂取した

日本の水は軟水でミネラルが少ないといっても、日本人は本来、ミネラルを多く含む穀類などを主食として野菜・海産物などを食べてきました。しかし、戦後の生活の“欧米化”にともなって、穀類(大麦・雑穀など)の摂取が激減。その一方で、高脂肪・高タンパク・高カロリーの食事が増えてきました。

戦後の食環境と糖尿病有病率の推移を見ると、1965〜1970年にかけて急激に大麦・雑穀類の摂取量が減少。マグネシウムの慢性的摂取不足となり、この頃より糖尿病が激増しはじめました。

また、日本は塩化ナトリウムのほかに、マグネシウムをはじめ多くの微量ミネラルを含む「粗塩」を使っていました。しかし、精製塩(塩化ナトリウム99%)が一般家庭に普及されるようになったため、塩とともにマグネシウムを摂取していた時代が終わったわけです。


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軟水と硬水で違うマグネシウムの量

ちなみに、軟水と硬水でマグネシウムの量はどれくらい違うのでしょうか? 軟水のミネラルウォーターの代表格「ボルビック」と、硬水のミネラルウォーター「エビアン」で比べてみましょう。

100mlあたりマグネシウム量は、ボルビックが0.8mgでエビアンが2.6mg。軟水と硬水とでは、マグネシウムが量にして3倍以上も差があるわけです。

一方で、マグネシウムの1日に必要な摂取量は、一般に成人では270〜370mgが望ましいとされています。しかし、現代人は成人で1日あたり100mg程度が不足。これを硬水で補うのは現実的ではありません。このため、マグネシウムはサプリメントを利用して補給することが望ましいのです。

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