ネット生保なぜ安い?付加保険料に秘密アリ
ライフネット生命保険など、いわゆる「ネット生保」誕生からはや5年。さまざまな割安商品が登場した昨今、同額の死亡保障でも保険料格差はときに2倍強に達することも…。たとえば30歳男性で、大手の有配当の死亡定期保険と4月にネット向け商品を出した楽天生命では2倍強の差があります。その差はどこから生じるものなのでしょう?
保険料は保険金の支払いに備える「純保険料」と、経費などになる付加保険料で構成されます。純保険料は、通常の死亡定期保険ではどの社もほぼ同じ水準です。
大手に比べてネット生保の保険料が割安になる理由は、付加保険料の違いにあります。大手は営業員の人件費や営業所の維持費用などがかかるため、付加保険料が高くなるのです。
大手は配当の出る保険が多いので、保険料を比べるときは考慮すべきとの見方もあるでしょう。配当は商品や契約年で千差万別ですが、個人契約保険では保険料の数%から10%前後が多いはず。それを考慮した実質で比べても、一般に無配当のネット生保が安いといえます。
とはいうものの、ネット生保の保険料収入の市場シェアはライフネットとアクサダイレクト生命保険の合計でわずか0.02%。保険料は安いのに、じつはシェアが高まっていないのが現実なのです。
生命保険協会の調査では、日本人の払う保険料の国内総生産に対する比率は20111年で8.8%。先進7ヶ国中でトップです。3.6%のアメリカの2倍以上になります。死亡率、純保険料、付加保険料などの仕組みを知って、生命保険は賢く選びましょう。